日本トレイルランナーズ協会

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高山を安全に楽しむための注意事項2025.08.09

夏山シーズン真っ盛りですが、高山(標高2000m以上の山々)を楽しむ登山者から、高山の常識、ルールやマナーを知らないトレイルランナーへ批判的な声が当協会に寄せられています。

高山は地形や気象条件が厳しく、安全に楽しむためには技術や知識、装備など、低山とは違ったものが必要です。

また、高山は上り下りが長く続き、斜度が大きいだけではありません。両手を使う「岩場」や「くさり場」、足元に不安定な石がごろごろしている「ガレ場」、両側が切り立った崖で、さらにすれ違いがむずかしい道幅の狭い「痩せ尾根」など、自分自身の安全だけでなく、他の登山者への安全の配慮が必要になります。

これらのことからトレイルランナーが「高山を安全に楽しむための注意事項」をまとめました。低山に共通する内容もあります、トレイルランナーのみなさま、どうかご一読ください。

2025年夏 日本トレイルランナーズ協会


「高山を安全に楽しむための注意事項」

 

  1. それぞれの山域を管理する環境省や自治体、組織などが、みなさんの安全や環境保全のために登山のルールを定めています。トレイルランナーはこれらのルールを十分に理解し、行動しましょう。
  2. 高山は、なによりも自分自身と他の登山者の安全を考慮することが大事です。上り下りが長く続き、斜度の大きな、また道幅の狭い登山道では、原則として上りも下りも歩きましょう。
  3. 登山者とすれ違うときは、自分と相手の安全を十分に確認して、道を譲り合ったり、立ち止まって脇に避けるなど、臨機応変な対応をしましょう。また、道幅が広いところですれ違うときも、走ることをやめて、歩いてすれ違いましょう。また、挨拶を忘れずに。
  4. 登山者を追い越すときは、十分に幅の広い安全な区間で、走ることをやめて、歩いて追い越しましょう。前を行く登山者にひと声かけることも大切です。そして、道を譲られたらお礼を。
  5. 大ケガにつながることがあります、どんなに小さくとも落石を出さないように注意しましょう。特に森林限界を超えた高所には、路面に不安定な石のあるガレ場と呼ばれるところが多く、足首を捻挫したり、落石を発生させる可能性があります。
    そのような場所では、原則として、上りも下りも歩くようにしましょう。落石を出してしまった場合、すぐに大声で「ラク!!」など、周囲に注意喚起することを忘れずに。
    また、落石に備えてヘルメットの着用が推奨されている区間もあります。予定を立てるときにご確認ください。
  6. 「岩場」「くさり場」「痩せ尾根」をはじめとする難所では、前を行く登山者に追いつき、近づいてしまうのはやめましょう。互いの安全のために十分な距離を保って進むことが大切です。
  7. 高山はその斜度や路面状況、気象条件などで、同じ距離でも体力の消耗や所要時間が低山とは大きく異なります。
    GPSや登山アプリ、エマージェンシーシートや救急キット、ヘッドライト、水、食料など通常の装備の他に、非常用の水と食料、レインウェア上下、防寒着、緊急用の風雨をしのぐツエルトなどを携行しましょう。これらを収納するには低山で使う10ℓ程度のパックでは間に合わないと思われます。
    また、コース途中に水場があっても、枯れているかもしれません。携帯浄水器があれば、飲用に適さない沢の水でも安心して飲むことができます。
  8. 低山では「ちょっとしたこと」なら「なんとか取り返しがつきます」が、高山では「なかなか取り返しがつきません」。天気が悪いだけで、まる1日も足止めをくらったりします。十分な時間的余裕をもって行動予定を作りましょう。
  9. 山小屋を利用する場合は14時くらいには到着していたいものです。夏、標高の高いところでは午後になると落雷が発生しやすくなるし、予約を受けてくれない山小屋では、すぐに定員になってしまことがあるからです。

上記の内容をPDFでもご覧いただけます。印刷も可能です。

「高山を安全に楽しむための注意事項」